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R.Shingen's Blog

田中森一「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」ー「噂の真相」ありせば

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#D50+SB-800で撮影

夏に買っている本で、何回か読み直しているが・・・
こう、と言った感想を書くのが難しい。

幻冬舎は何回も新聞広告を打っているし、24万部も売れて、Amazonの書評は58個も書かれている本である。

著者の田中森一は長崎・平戸の貧しい漁師の家に生まれ、苦学のすえ岡山大学に入学、学生運動に揺れる世相の中、司法試験に一発で合格、検事に任官する。各地を赴任し、大阪地検で特捜部に配属・その後の東京地検特捜部へ異動の中、数々の事件をモノにし、辣腕検事と評される。しかし政治がらみの事件での上層部の捜査方針に反発、かつ母が倒れたことにより、検事を退官・弁護士に転進する。弁護士に転身後は暴力団やあやしいバブル紳士達の弁護を行い、古巣の特捜部ににらまれたあげく、石橋産業手形詐欺事件で逮捕され、現在、最高裁に上告中である。

前半は苦学したうえで検事になり、退官するまでの活躍が描かれ、
後半はバブル時代を背景に、「ヤメ検弁護士」として、暴力団やバブル紳士の弁護や知恵袋として活躍後、逮捕されてどん底に落ちる姿が描かれている。

編集者はアウトローの生き方にあこがれる人が多いのだろうとの感想だが、個人的にはその割り切り、というか解釈も、今ひとつピンと来ないような気がする。

いわゆる暴露モノとしての本でもあり、前半は一種のサクセスストーリーでもあり、検事時代は組織の中での個人の葛藤モノでもあり、後半はバブルの時代に週刊誌を賑わせた人たちの素顔を書いている、とも言える。

が、特定のテーマがあるわけでもない。
本の構成も、それほど出来が良いと言うわけでもない。
特に、石橋産業手形詐欺事件については、現在公判中ということもあるが、わかりやすいとは言えない。
もともと、身近な人に自分をわかってほしい、と思って書いた、とのこともあるが、
あえて言うなら、帯にあるように、

「この国は、エスタブリッシュメントとアウトローの双方が見えない部分で絡み合い、動いている」

ということだろうか。その概観、というか諦観に至るまでの道筋が、本書と言う感じもする。
その動きの一端に触れながらも、結局、それらが良くわかったようで、わかっていなかったという苦い思いを吐き出しているとも言えるし。

悪書ではない。いい本だと思う。

しかし、できれば、この本について「突っ込んだ」記事を雑誌に載せてくれればなぁ、と思う。
週刊文春は2ページを使って批判を行い、文藝春秋は2号にわたり、立花隆との対談を載せたが、それだけでは・・・。
立花隆は、他の「ヤメ検」弁護士が逮捕されているケースを取り上げ、

検察は、検察の信用を失墜させる「ヤメ検」を憎み、だからこそ逮捕したのでは、

という話をしていたから不満足でないけど。

ここは、「噂の真相」並みの検証記事があってほしいと思う。
なぜなら、田中森一その人は、「噂の真相」上で、数度にわたって取り上げられた人だから、検証記事を書いて「記事になってくれた人へのお礼」をすべきでは?

でも残念ながら、もはや「噂の真相」はない。
残念である。

最後に、
本書でたびたび書かれている中曽根康弘・元総理に、インタビューするジャーナリストはいないのか?
この本に書かれたアナタの圧力は本当なのか、と。
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by rshingen | 2007-11-25 19:00 | その他全般

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